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拍手のお礼SSにしようと思ったけど
あまりの文才のなさと、
バナー倉庫と合同拍手だったんだというコトを思い出して
やめました(;´Д`)

日本語難しすぎorz
でも浮一は大好きだっ!(*´Д`)


*現代パロ同居設定ですヽ(゚Д゚)ノ





「ただいま」


帰宅を告げる声がちいさく玄関に響く。
時刻は夜中の12時を回ったところ。

いつもなら7時前後に帰れるはずなのだが、
同僚の京楽につかまり、居酒屋へと引きずり込まれたのだ。
いつもの調子でへべれけになるまでちびちびと、
しかし確実に量を呑む京楽に苦笑しつつ、
浮竹は終電を理由に一足先に帰宅した。

もう流石に寝ているだろう一護を起こさぬようにという配慮もあり、
音を立てないようにリビングへ入る。

束ねていた髪を解くと、リビングのドアをゆっくりと閉め、
手探りで、しかし慣れた手つきで真っ暗な部屋に明かりを灯した。
と、そこにはテーブルに突っ伏す一護の姿があった。


「…」


やはり自分も酔っているのか、電気をつけるまでそれの気配に
まったく気付かなかったため、
浮竹は苦々しい顔をして一護の肩に手をかける。


「一護、起きろ」


ちいさく揺さぶると一護は「ぅぅん…」とうめき声を上げ、
だるそうに体を反応させるとすぐに眠りへと堕ちてしまった。

浮竹はその仕草に顰めていた眉を下げてついついフッと笑みを零す。
そんな自分と、一護にため息を吐いた。
しかしいくら部屋の中とはいえ、もう秋も半ばである。
暖房器具をつけないどころか、薄手のシャツ一枚で居眠りをしていては
風邪を引くに決まっている。
少なくとも浮竹はその環境ではすぐに体調を崩すだろう。


「あれほど先に寝ろと念押ししたのに…お前は。」


寝息をたてる背中に、そう言ってはみたものの、
緩む口元は押さえきれず。自分も物好きだな、と肩を竦めた。

ここで寝てしまっている、というコトは自分の帰りを待っていてくれたのであろう。

そう考えてみては愛しさがこみ上げてきて、同時に
自分はここまで何かに執着、あるいは囚われる人間だったのかと驚いてしまう。
その驚きすらもすぐにそれへの愛しさに変わってしまい、
自分の負の感情のすべてがどうでもよくなってしまう。


「お前には敵わないよ、一護」


何かから庇うように、否、誰からも触れられないようにと
後ろから一護を抱きすくめる。
とんだエゴイストだ、そうどこかで自分を嘲笑いながら、
一護の肩に顔を埋めた。
呼吸を繰り返す音が、体を通して伝わる。

こうしているだけで、まるで魔法にでもかかったのではと思うほど、
体の奥の、実体のない何かがジンと暖かくなる。


「…一護」


本当に小さな声で。
まるで吐息のようなそれは、
今浮竹の真下にいる一護にしか聞こえない音だった。
すると、それが呪文であったかのように真下の一護が身じろぐ。


「…き…たけさん?」


寝起き特有の擦れた、けれど背中に感じるそれに安心しきった声。
その声に浮竹は体を少し離すと、「ん?」と小さく問いかけた。
一護は身を起こす余裕の出来た体で浮竹を振り返る。
そして、まだ少し寝ぼけた顔で浮竹を見つめると、一護は口を開いた。


「…おかえり」


その言葉に、一瞬、浮竹はきょとんと一護を見つめたが
すぐに笑みを零す。
ほんとうに一護には敵わない、と。


「ああ、ただいま一護」


そういうと、浮竹は一護の額に一つ、キスを落とした。
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