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その日は気持ちいいほどの晴天で、
洗濯物を干すと一護は部屋の床に腰掛け、流れの速い雲をぼんやりと眺めていた。
空の青と雲の白さのコントラストが夏らしさを増して、
鮮やかに一護の瞳を流れてゆく。
一護が小さくあくびを一つかくと、部屋の中で赤いチェアーにべっとりと背を預け、
フレームの無い眼鏡をかけた浮竹が本から目を離してちらりとそれ見やった。
「今日は天気がいいからな。風も気持ちいいし、眠くなる」
そう眼鏡をクイッと上げると、一護は小さく微笑んだ。
「そうだな、梅雨時期にしては、いい天気だな」
外と部屋の中との暗明の差に多少目をくらましながら浮竹を見て、
そして、ごろりと足をベランダに投げ出したまま一護は寝転んだ。
「洗濯物を干したら帰るんじゃなかったのか?」
いたずらっぽく浮竹は、ごろんと力の抜けた一護を見下ろす。
「オレの勝手だろ」
多少不貞腐れたように、しかし照れたように、視線をそらすと
一護はおやすみといわんばかりにその場で目を閉じた。

ふぅ。と一つ、浮竹は軽いため息をつくと、本を置いて立ち上がり、
箪笥からタオルケットを取り出し、ふわりと一護に掛けた。
「じゃあ俺の勝手も、通していいのか?」
なんて浮竹が一人呟いたときには既に一護は寝息を立て始めていた。

「…仕方ないな、この子は」
人の話は最後まで聞かないといけないぞ。
そう呟いて、しかし言葉とは裏腹に眉尻を下げた浮竹は
しゃがみこんで一護の前髪を分けると、その額に口付けた。
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